和竿は竹を主素材として絹糸や漆を使って作り上げた我が国独特の江戸時代から竿師たちが改良を重ねて磨き上げて、美術品といわれるまでになった世界に類のない釣竿です。我が国では戦国時代から全国各地で領主の庇護の下に矢を作(は)ぐ技術が発展しました。和竿はこの中の竹を矯める技術を継承する形で出発し、漆塗りの技術が加わって完成しました。尚、矢の製造督励は優秀な矢竹を育成する事につながり、全国によい矢竹のヤブが残されたことも素材の供給面で幸いしました。和竿の名は後に西欧から六角竿が輸入されるに及び、これを洋竿と呼んだのでそれに対比する意味で発生したものです。 | |
天明8年に初代泰地屋東作が継ぎ竿を創始し、その後代々の東作は技術の練磨と伝承に熱心で江戸竿は着実に進歩し、同時に多くの竿師を派生しました。昭和59年に江戸和竿は東京都の伝統工芸品に指定され、公に認められるようになりました。伝統工芸にもかかわらず後継者が少なく、身体でしか覚えるしかない年季のいる仕事です。 |
江戸和竿のススメ
天然材料の暖かみと手作り品の優美さと使い勝手のよさ、これが長い伝統に培われた江戸和竿の特徴であり、長所であります。江戸和竿は通産大臣と東京都知事の双方から伝統工芸品の指定を受けています。 |
先づは、塗で判断します。際の塗がしっかりとしているかを見ます。その次に、調子です。竿を曲げて継が変な曲がりをしていないかです。竹の善し悪しを修得するのは多くの和竿を手にしてみることです。なかなか口では説明しにくいのでまずは店内で手にとってみてください。姿、形で見るのが一般的ですが、釣りの種類による調子の出し方で竹の形は一定ではありません。 |